よりダイレクトで精度の高い酵素センサー
農工大の先生がグルコースデヒドロゲナーゼから電極に電子伝達をする 酵素を発見したらしい。
これまでのグルコースセンサーの場合、グルコースオキシダーゼを使い 副産物であるグルコン酸によるpH変化を測定していたらしい。つ まり、センサー本体はpHメーターだったわけ。
たとえばこんな感じ

これに比べると直接グルコースとの反応を起こす酵素から電子を伝達で きるというこの新しいタンパク質を使えば仲介するステップが減り、さ らに電子信号への変換がグルコースそのものと接する近傍でおこるので 目的としない反応が起こる可能性が減ると言うこと。実際にはタンパク 質を2種類使うので、それらの安定性とビジネス化したときに発生する ShippingやStorageの問題が残ると思う。ま、そのあたりは同様 の酵素を好熱菌からとってきたり、既存のものを耐熱化すればいい。そ の辺のノウハウは日本の発酵関係者ならよく知っている。

これでふと思ったのだが、こんな低分子だけでなく、タンパク質の濃度 は測れないだろうか?プロテアーゼから直接電子伝達してくれるタンパ クがあれば… うーむ、結構難しいかな。配列に依存するし既存の手法 が十分に簡単だから。でも、においセンサーや血液さらさらセンサーにしてもそうだけど、ラボに持ち帰ってMSやNMRで調べるよりはその場でばちっと結果が出るのは大きいと思う。結構こういうところにマーケットはあるはずですよね。
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by KtomoSFD | 2005-07-21 01:43 | Bio Research

ばい菌/Germ という表現

JTPAの渡辺千賀さんのBlogでのBest Entryをずーっと続けているばい菌回路なんですが、一応Biologistの目から見ると、「へー、そういうのをばい菌と呼ぶのか」と意外でした。

実際にはファージ(細菌に感染するウイルス)の表面にランダムにペプチド配列を表示させる「ファージディスプレイ法」を応用した方法のようです。この方法は元々、ある特定のタンパク質に結合する別のタンパク質を同定する(探してくる)ために開発された方法ですが、同じような技術の中では中程度に使われている、まぁそこそこの技術です。決してすごいテクニックではない。これをタンパク質との結合ではなくて、半導体と結合させるとは…確かにうまいことを考えたものですね。自己増殖できるウイルスを使うので、一旦結合したペプチドを持つウイルスを増殖させて、さらに良いものを作ることが可能です。実際には増幅する際に細菌(おそらく大腸菌)を使うので「ばい菌回路」というわけです。っていうか、「ウイルス回路」の方がぴんと来るんですが、そう書いてしまうとなんだかスパムを送信するための回路みたいですね。世の中には重金属を貯め込む生き物もいるくらいなので、確かにペプチドが半導体の表面を認識するというのはあり得るわけです。そしてその配列をPCRなどを使ってさらに「進化」させることも可能なんですよね。これはBiotechならではです。

バイオの世界では似たような発想として、酵素を改変して自分の好きな化合物を作らせることや、抗体をさらに進化させていろんな化学反応の手助けをさせてやるという発想はありました。これらはすべて改変する部分は小さいものの、分子量としては数万単位の結構大きな分子となり、しかも物質を認識する部位はタンパク質の比較的内部にまで奥まっていることが多いのです。それに対するとペプチドというのはせいぜい20アミノ酸までなので上述のタンパク質に比べると10-50分の1くらいの大きさしかなく、しかも進化的な手法もつかえる、もってこいのネタに仕上がるわけです。さらにもう一つつっこむと、生物学的に進化したペプチドはその分子構造をいじってやることによって化学的に安定な物質にも変換しうる… すばらしい! こう書いていると自分がバイオをやっていることに誇りを感じます。

さて、表題の「ばい菌」ですが、私はこの表現は苦手です。もちろん小さい頃は何も知らずに使っていましたが、その「ばい菌」を飯の寝たにしている以上、手についているばい菌と納豆を作るばい菌はもちろん区別しますし、それぞれの環境に適したばい菌達の生き様に見せられ手しまった以上はバイキンマンとて尊敬の対象になってしまいます。なので、それに変わる表現がどうしても見つからないとき以外はできるだけ学名や無難な通称名を使うことにしています。5年ほど前、日曜日にバンドの後輩を連れてラボに寄って酵母の遺伝子組み換えの状況をチェックしたところ、次の日には「○○さん、ばい菌見てにやにやしてたよぉ、かわいいとか言ってさぁ」と変人扱いされたものです。ミミズやアメンボだけやなくてばい菌も生きとんねん!
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by KtomoSFD | 2005-07-13 11:28 | Bio Business

CNETでblogを書いている江島さんがSan Mateoに来て新たなビジネスを立ち上げるらしいです。ここでかかれているのは英会話学校に行って(なんと授業料で100万!)、その後引っ越しの話等々書かれています。これを読んでいると来たばかりの時のハイテンションを思い出します。事細かに記録して、研究留学ネットにも投稿しましたね。

僕の場合は貧乏PhDだった上に超田舎に住んでいたので当然英会話学校もなく英語レベルはきわめて低かったのですが、幸い大学院の間に3年間アメリカ人のポスドクと机を隣り合わせて仕事したので何とかコミュニケーションはとれるレベルにはなっていました。本当に感謝感謝!

江島さんはWill>Skill信者と書いて、留学経験がなくてもアメリカで起業できると信じていると書いていらっしゃいますが、それは違うと思います。日本でのビジネス立ち上げの経験と、それだけの英語の準備があるのだから、僕から見ると江島さんのすでにSkillも十分に高いと思います。日本で事業立ち上げるなんて本当に大変そうですから。本人はそう思っていなくても、この文章を読んだ僕みたいなアホがアメリカでいきなり起業すると偉い目に遭うでしょう。そしてもう一つ、シリコンバレーの英語のレベルって言うのはだいぶ他の地域に比べると違うと思います。高いとか低いではなくて違うのです。ベクトルが違うって言うのでしょうか? 言葉でConvinceする能力もさることながら、ハイテクの聖地では技術や知識に対する尊敬が根強いこともあるので、どちらかというと若干エスニックのアクセントがある方が知的に聞こえて来るそうです。だから、それだけ準備をして、経験もあって、若い人(これも大きなファクター) と来れば必然的にポテンシャルが高くなっているわけです。

ちなみにそれ以上を求めると、JTPAの村山さんも言ってましたが、英語レベルは高ければ高いに越したことはないそうです。下手に聞こえてもしっかりとした文章で話されるといつの間にか説得されてます。(アクセントと文章力は別ですから) ちなみに僕はアメリカの他の地域や英語圏に住んだことはありませんのであしからず(^^;) 説得力ないなぁ…

で、最後にバイオに戻るのですが、日本人でこうやってビジネスを立ち上げる人たちからバイオに目をつける人が出てくる日は来るのか? (ちょっと方向は違うにしても)Genentechが始まった頃のように、シーズをバイオに求めて来る「起業家」は出るのか? この辺を最近考えています。

<余談ですが> 自分が渡米したときはスーツケース1つに書類の詰まった段ボール箱1つ。しかも資料を詰め込みすぎて重量オーバーで泣きながら来ました。その後も親に頼んで段ボール2箱送ってもらいましたが質素なもんでした。それが今や… うーむ、日本に考えるときの引っ越し代は考えたくないです… アメリカの家って広いんだもん
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by KtomoSFD | 2005-07-08 11:44 | Bio Business

愛校心

阪大をもっと愛して
なんだかキモチワルイですが、うちの学校なら本気でやりそうな気がします。不器用ながらも馬力で押してくる大学ですから。天神祭の船渡御に船出すって言うのは最高ですね。テレビ大阪でしかみれなさそうですがうれしい。

ただ、どうも舵取りとして不器用な感じが非常にします。スペシャリストを雇うことなく自前の人材でやってしまおうとするだろうし、おそらくこれまではそれでやってきたと思うんですが、本当の何を目標として進めるのか? それに卒業生にしても中の先生方にしても、それぞれでかなりの力を持っていたり成果を上げている人が多いので、まとめ上げるのは相当大変だと思います。

一応、まだアカデミックの人間なので歯切れが悪いですが、ポテンシャルがこれだけある大学のさらなるステップアップに協力したいです。

<ちなみに>
バブルがはじけてはいたものの、まだ景気のよかった1992年に僕が入学した当時、配られていたフリーペーパーに書いてあった阪大のイメージカラーは「グレー」。恋愛偏差値は50… (それ以下はなかったです。まさに灰色の門出でした…
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by KtomoSFD | 2005-07-07 09:37 | Who am I?

LSJ Summer Party 2005

かなり疲れましたが、LSJ2回目のパーティー、終了しました。参加していただいた皆さん、スポンサー企業の方々、ありがとうございました。LSJはただの勉強会なのですが、これだけ大きいパーティーをしてもこれだけ人が集まるのはうれしい限りです。あとは、身のある成果をいかに示すことができるかですね。そして、JBCでもそうなのですが、毎回のオーガナイザーミーティングは結構裏の話が聞けて楽しいものです。さぁて、後は仕事仕事、本業に精を出しましょう。
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by KtomoSFD | 2005-07-06 16:06 | JBC/LSJ